EXARM

FEATURE

スワンのものづくりの理念を体現する製品EXARM

日本製のものづくりにこだわり、世界的に評価も高い数々の照明を手がけてきたSWAN電器。そのスワンのものづくりの理念を体現している製品が1989年に初号機が登場したエグザームだ。SWAN電器常務取締役の西山尚史氏にその開発の背景について話をうかがった。

—EXARMの名前の由来を教えてください。

エグザームは「エクセレントアームライト」を略した造語になります。エクセレント=特別なアームライトという意味を込めています。特徴は軽く動き、照らしたい場所にピタッと止まるアームの精度にこだわってつくっています。その高い機能性とシンプルなデザイン、お客様にとって特別な照明になりたいという思いを込めています。

—EXARM エグザームの開発の背景を教えてください。

1989年に現代表が開発しました。支柱をタバコと同じ太さの8mmで特注でつくるなど、細部にこだわりをもって世に送り出したのがエグザームのデスクライトでした。そこで大切にしていたのが機能美でした。アームのスムースな動きは、1968年に初代が開発した「スワンライト」のアームの概念が引き継がれています。
エグザーム誕生から17年、あらためてフィーチャーしました。それで2006年につくったのが「エグザーム3」でした。スワンらしくデザインにしっかりこだわりながら、日本製の機能性、信頼性をもたせながらつくりました。それが運良く「グッドデザイン賞」を受賞しました。

—デザインのこだわりを教えてください

機能性とシンプルなデザインにこだわっています。スムースに動いて、ピタッと止まるアーム部分はSWANのこれまでのデスクライトの技術力が生かされている部分です。スイッチ部分もシェード部分からフラットにしたり、一番シンプルなかたちで、機能を果たすデザインにこだわっています。触れずに点滅させることができる近接センサーは、一度ポジションを決めたら動かしたくないというユーザーの方や、お年寄りにも使いやすいと好評です。

—2014年に生まれた、DIVAについて教えてください。

歌姫という言葉の通り、繊細な美しさをもった照明ということをテーマにつくりました。その繊細さは美しくエレガントなスムーズなアームの動きにも表れています。

—2008年から光源がLEDに変わりましたが、そのきっかけを教えてください。

LEDを光源としたデスクランプをつくりたいと思っていたのですが、なかなかよいものがありませんでした。そんな中、以前からお付き合いのあったシャープさんから、このようなLED電球がありますよとご紹介いただき、これならできるということで、LEDの光源をもった製品が生まれた背景があります。

—そこにもこだわりがあったのですね。

はい。そうです。エグザームの光源は白熱灯からスタートして2008年からLEDになりましたが、LEDが製品化してちょうど10年くらい経ったころでした。照明は光源の進化とともにあるといっても過言ではありません。電球からLEDに光源が変わったことで、シェードのフォルムも自由になりました。それまで光源があってシェードのデザインをしていました。LEDも放熱の問題をクリアするという絶対的な制約はあるのですが、電球に比べて格段に薄く、長くつくることが可能になりました。LEDの光源になってから現在で4代目になります。

—LEDになる前はより多くの制約があったということですね。シェードも美しい形なのですが、製造方法のこだわりを教えてください。

三次元の製造で通常鋳物ですることが多いのですが、プレスでやっています。そうすることで小さいけど鋳物より強度の高いものがつくれます。耐久性は格段に上がっています。そこにもこだわっています。ですので折れることはまずありません。

—素材も違うのですか?

アルミダイキャストか亜鉛ダイキャストといった溶かした金属を型に流し込んでつくるのですが、エグザームは金属のプレートをいくつもの工程を経て丸くしてからプレスをしています。それをきれいな形を出しながらするのはとても手間暇がかかります。


今では世界中で多様な形のLEDの照明がつくられていますが、その中でも日本の製品は先行してつくられたものですので、2012年に香港の展示会で初めて世界にお披露目した際には、見たこともない形と驚きをもって迎えられました。

—大切にしていることを教えてください。

美しいデザインを大切にしているのですが、ものづくりの根幹にある高い機能性です。機能があって、そこに寄り添うデザインを考えるのが私たちのものづくりの最大の特徴です。そこに照明は極力存在感がないほうがいいという弊社のフィロソフィーがあります。その上で照らしたいポジションにスムースな動きで止めることができる機能性、そしてその機能性をともないながら、きれいにシンプルに収めるというところに最大なこだわりをもっています。

—ユーザーにとって自然な使われ方をきちんと機能に落とし込むということですね。

そうです。ただ美しいだけで、使いにくいものでは照明として意味がありません。違和感なく自然に使える製品づくり。長年デスクランプを手がけたきた私たちの技術を結集させて、今も進化しているのがエグザームシリーズという自負があります。

—そこに日本の製品ならではのものづくりの確かさ、信頼性があるのですね。

世の中のデスクランプは見かけが美しくても、動きがスムーズでなかったりするものがあります。私どもが考える日本の製品の最大の特徴は、細部のこだわり、丁寧な仕事になります。
LED自体生まれてから10年程という照明器具としては最近のものになりますが、器具自体の大きさや明るさ、光の質は日々アップデートされています。新しい技術を常に製品に取り入れられるように、LEDの研究者の方とも話をしながら弊社のものづくりに反映させています。それがユーザーの皆さまにとって最適な灯りと、美しいデザインでご提供することが弊社の存在意義だと思っています。
デスクライトは照明の中でもしかしたら世界中で唯一同じ使い方をされている照明かもしれません。天井照明や壁面照明は国によって事情が異なり、必ずしも同じ使い方をすることができないことが多いんです。デスクライトはうまく情報発信をすれば、世界中の人の暮らしの役に立つ製品になると考えています。
そういった意味では、日本製といえば地場産業や手作りのものが注目を集めることが多いと思うのですが、スワンの照明はすべて日本でつくっている工業製品です。それが海を渡ることができれば、そこには日本製品が海を渡るという夢があると思います。

—最新の技術と長年アームライトを手がけてきたスワンならではの蓄積があるからでしょうか。ものづくりのプライド、ユーザーへの思いですね。

やはり実直なものづくりですね。きちんとこだわって守り続けることは、言葉で言うのは簡単なのですがものづくりに関わるそれぞれが、しっかりと意識をしなければできることではありません。自分たちは長年アームライトをつくり続けてきたんだというところに立ち返って、基本を忘れずにものづくりしながら、その時々で時代に見合ったベストなものづくりをしなければならないと思います。

—スワンにとってもエグザームは特別な存在なのですね。

そうです。弊社のラインナップの中でも幹であることには変わりがありません。弊社のすべての製品の機能美、デザイン哲学はエグザームから生まれています。そこから弊社のインテリア照明が生まれています。どんな時代の中にあってもブレない軸となる製品になっています。